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「スケジュールが立てられない…」「予定通りいかない…」って悩んでいませんか?
日常業務に追われて忙しい日々。計画を立てる暇もないし、計画を立てるのも苦手。しかも、計画を立てたところで予定通りいったことがないと思っていませんか?
その原因、もしかしたら「計画力」にあるかもしれません。会社の仕事は行き当たりばったりでするのではなく、目標を設定して計画を立てるのが一般的です。
そこで、今回は計画力について説明します。

この記事は次のような人におすすめ!
- 計画力を鍛えたい人
- スケジュール通りに仕事を進めたい人
青函トンネル物語

1983年のこと。「現場では苦労を乗り越えた歓喜と涙がありました」。ついに、本州と北海道を結ぶ青函トンネルが開通したのです。
着工から21年、5384億円の建設費をかけ、のべ1380万人の作業員の苦難の結晶でした。国を挙げての世紀の大プロジェクトでした。
さかのぼること1854年。非常に大型の台風が接近し、北海道の函館を直撃する進路をとりました。最大瞬間風速は50m/秒。この日、5隻の船が転覆し、遭難者は合わせて1430名という、世界で2番目の大海難事故となりました。
この大事故は、天候に左右されない安全な輸送手段を確保するという北海道の悲願となり、トンネル建設に至ったのです。
1964年、青森県側に青函トンネルの工事基地が誕生。掘削を始めました。海底工事の最大の敵は、海水がトンネル内に流れ込む「出水」です。
ある日の早朝。現場から出水を知らせる連絡が入りました。毎分0.3トンでしたから、排水ポンプと排水パイプが設置されていたので、問題はないと考えていました。
ところが、排水パイプにセメントなどがつまっていたのです。その間に、作業場が崩れて大出水となりました。この時、毎分約85トンでした。このままでは、ポンプ室は水没、そして、トンネルも水没してしまうことに。
大事なことは、ポンプ室を水から守ること。出水量は衰えず、水の流入の速さが勝つか作業が勝つか、きわどい勝負でした。
次の日、なんとか出水量も毎分30トン以下に減り、いろいろの対策を講じながら復旧作業を進めていきました。不眠不休の水との戦いでした。
そして、21年にも及ぶ計画を実行の結果、トンネル工事が遂に完成したのです。
計画力は社会人基礎力のひとつ
計画力は社会人基礎力のひとつです。社会人基礎力とは、経済産業省が提唱する「基礎学力」「専門知識」を生かす能力のことです。

社会人基礎力は、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力から構成されていて、その中で、計画力は考え抜く力に含まれる能力です。

考え抜く力の詳細はこちら
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計画力とは?

計画力とは、課題を解決するための手順をはっきりさせて準備する力です。まだ見えないことを現実にするために、これからどうするのかを考えることです。
1個人であれば、1日に使える時間は限られています。組織や企業にとっては、ヒト・モノ・カネの経営資源は限られています。
その限られた時間や資源の使い方を考えることは、とても大切です。仕事の大半は問題解決です。、問題には、「潜在型」「発生型」「設定型」の3種類があります。
- 潜在型…今は大丈夫ですが、今後発生しそうな問題
- 発生型…環境や条件によって自然発生する問題
- 設定型…目標を設定して達成する上で発生する問題
どんなタイプの問題でも、計画を立てて行動します。
そもそも、会社の計画は、経営計画、事業計画、部計画、課計画、個人計画と細かくなります。計画は、目標を定量的(数値で表せるもの)と定性的(数値で表せないもの)設定し、行動計画にします。
計画で押さえておきたい指標や時間軸上での確認地点を確認します。押さえるべき数字はKPIとして示します。
計画とスケジュールの違い
計画とスケジュールは違います。計画とは、目標や課題解決をするための中長期の進め方です。計画の期間は比較的長いため、頻繁に変更しません。
スケジュールは短期的なものです。個人が作業予定を明確にする際に必要です。作業をするために、「いつ」「どこで」「誰と」「何を」「どのように」するかなどを、具体的に行動できるようにします。1日単位や1時間単位で具体的な予定が考えます。また、状況に応じて臨機応変に変更もします。
計画は、目標達成に向けてのステップ、スケジュールは具体的な行動予定になります。
5W1H
5W1Hとは、情報や物事を整理・伝達する際に考慮すべき項目です。下記の順番があります。
- When:いつ
- Where:どこで
- Who:誰が
- What:何を
- Why:なぜ
- How:どのように
スケジュールを立てるだけではなく、ビジネスの色々なシーンで使えます。
なぜ、計画力が必要?
「行き当たりばったりの性格だから…」「計画は自分を追い込むことになるから…」といって、計画を立てない人がいます。もし、計画を立てずに行動したらどうなるでしょうか?
行き当たりばったりで、思いつくまま行動し、ときには、手順が逆になったり、手戻りが発生したりします。さらに、チームで仕事をした場合は、計画性がないのでメンバーの動きはバラバラで、成果を上げにくくなります。
限られた時間や資源しかないのに非効率になります。社会では「段取り八部」という言葉がります。仕事のできは、段取り次第で8割は決まるということです。

私も20代の頃に上司に教えてもらいました。
このように計画力を身に付けることで、効率的に目標を達成したり、課題を解決したりします。そのためには、行動をするために必要なことを計画として決めていきます。
計画力を鍛える方法

具体的に計画慮を鍛える方法を説明します。
優先順位を決める
優先順位とは、目標達成するための手順の中で、何を最初に取り組むべきかを判断することです。緊急度と重要度のマトリクスで、タスクを4つのカテゴリに分けて優先順位を付けます。
まず、目標を達成するためのタスクを洗い出してリスト化します。次に、各タスクの重要度と緊急度を評価します。
重要度は、目標達成にどれだけ貢献するかで判断し、緊急度はタスクの締め切りを考慮します。例えば、緊急かつ重要なタスクは最優先とします。
評価に基づいて優先順位を付けます。優先順位に従ってスケジュールを組み、具体的な行動計画を立てます。
緊急度と重要度のマトリクス例

優先順位がないと、重要なタスクと重要ではないタスクの区別がつきません。限られた時間が効率的に使えないので、重要なタスクに時間をさけず、成果が出しにくくなります。
目標への行動が遅れがちになり、結果として、長期的な目標の達成が遠のきます。人の時間は1日24時間と決まっていて、やれることには限りがあります。
その限られた時間の中で、効果的かつ効率的に行動することが求められます。
計画を立てる
計画とは、目標達成のために手順や行動を決めることです。目標達成に必要な資源、時間、手順を詳細に示し、実行の道筋を明らかにします。
目標から逆算(長期→中期→短期)した行動の計画を立てます。
- 段階的…マイルストーン(中間目標)やタスク(小さな業務の単位)に細分化し、進捗を管理しやすくします。
- 資源配分…経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報・時間など)を適切に配分し、効率的に活用します。
- 柔軟性…計画が状況の変化に対応できるように、適時修正します。
- 責任明確化…各タスクの責任者を明らかにし、役割を分担します。
- 時間管理…締め切りを決め、進捗を適時追跡します。
WBSとは

WBSは、作業を分解して構造化する方法です。プロジェクトの作業を段階的に細かなタスクに分解して、計画を立てます。
まず、プロジェクト全体の作業を大きなタスクとして洗い出し、徐々に小さなタスクに分解していきます。分解したタスクを実行する順番にならべ、ツリー構造にしたものがWBSです。
仕事には流れがあります。例えば、見積書を出して、注文を受け、商品を発送し、請求書を送り、入金されるなど。どんな仕事にも流れがあります。
いつもやっているルーチン作業であれば、問題ありませんが、初めてやるプロジェクトの場合は、タスクのヌケモレがあると致命的です。
そこで、WBSを使って、タスクを洗い出し、ヌケモレが起こりにくいようにします。できれば、有識者や経験者、上司などと洗い出しをすると質が上がります。
WBSを使う目的はヌケモレ対策です。計画を実行したときに、重要なタスクが抜けていたり、漏れていたら、新たに担当者を急に割り当てたり、手戻りが発生したりします。
その結果、計画は遅れ、その遅れを取り戻すために、人員増強などの対策が必要となります。
ガントチャートとは?
ガントチャートとは、作業の内容を分解して示した表のことです。作業内容・担当者・スケジュールを一覧化することにより、工程管理や進捗管理がしやすくなります。

表の左側は、タスクの項目で、WBSで洗い出したタスクを使います。右側は期間です。期間を決めるポイントは、稼働日だけを考慮することです。例えば、土日が休みの場合は、稼働しない日を考慮して、線を引きます。
ガントチャートでタスク管理
タスク管理は、仕事や目標を効率的に達成するための能力です。具体的には、タスクの優先順位付け、時間の管理、スケジュールの作成、進捗確認などです。
プロジェクト管理やタスク管理には、ガントチャートを使います。ガントチャートは、時間軸に沿ってタスクを棒グラフで表現する方法です。タスクの開始時点や終了時点、期間、進捗状況が可視化され、把握できます。
ガントチャートの横軸は時間軸、縦軸はWBSです。WBSとは、プロジェクトにおけるタスクを細分化したリストであり、ガントチャートはそれに基づいて作られる横向きの棒グラフ表です。ガントチャートを作成するためには、WBSでタスク項目を洗い出して一覧にします。そして、細分化されたタスクを元にガントチャートでグラフ化します。
担当者は、1タスク1担当者にします。1タスクに複数人の担当者を設定すると、誰が責任をもってタスクを終わらせるのかがわからなくなります。
また、マイルストーンも設定します。マイルストーンは中間目標のことで、プロジェクト管理で遅延が許されない節目となるポイントです。このポイントに進捗報告ミーティングを入れたりして、中間報告をすることがあります。
ガントチャートには、クリティカルパスがあります。クリティカルパスとは、プロジェクトを最短で終わらせるために必要なタスクの流れのことです。 クリティカルパスの進行に遅れが生じることは、プロジェクト全体の遅延につながるため、正確に把握することが必要になります。
例えば、朝、会社に行く準備をするプロジェクトを考えてみます。タスクは4つあるとします。
- 顔を洗う(5分)
- 朝食を食べる(10分)
- 歯を磨く(3分)
- 服を着る(5分)
4つのタスクを順番に行うと最短で23分(5+10+3+5)かかります。これが、朝、会社に行く準備をするプロジェクトのクリティカルパスです。
どのタスクも遅らせることはできず、どれかが1つでも送れると、最終目標である会社に行くために家を出るという目標は遅れることになります。
まとめ
計画力とは、課題解決の手順を明確にし、行動を準備する力です。個人の時間や企業の資源を効率的に使うため、目標達成や問題解決のために計画を立てます。
問題は「潜在型」「発生型」「設定型」の3種類があり、どんな問題でも計画が必要です。計画とスケジュールの違いは、計画が中長期の目標達成の進め方であり、スケジュールが短期の具体的な行動予定である点です。
優先順位を決めて計画を立てます。プロジェクトは、WBSを使ってタスクを分解し、ガントチャートでプロジェクトの進捗を把握します。
ぜひ、効率的な目標達成と課題解決ができるように、計画力を鍛えましょう。




