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「解決策が見つからない…」「問題が解決しない…」って悩んでいませんか?
日々、仕事をしていると問題が発生します。仕事のほとんどは、問題解決といってもいいくらいです。
例えば、売上予算が届かない、顧客からのクレーム、後輩の育成など問題や課題は山積みです。
もし、問題を解決する方法が見つからないとしたら、原因は「創造力」にあるかもしれません。
そこで、今回は創造力について説明します。

この記事は次のような人におすすめ!
- 創造力を鍛えたい人
- 問題の解決策を生み出したい人
JALのV字復活劇

2000年代初頭のこと。JALは急成長を遂げていましたが、内情は火の車でした。リーマン・ショックが起きると大打撃を受け、経営は破綻寸前に追い込まれました。
2010年、2兆3,000億円という企業としては戦後最大の負債を抱えて、事実上倒産しました。
そのJALを再生させるため、政府から要請を受け、JALの会長に就任したのが、京セラ創業者の稲盛和夫氏でした。稲盛氏は「アメーバ経営」という経営手法を持ち込みました。
これは、社員一人ひとりが小さな経営者として行動し、全体のパフォーマンスを上げるというものです。彼の手法で、社員たちは再び希望を持ち、前向きに努力を重ねました。
稲盛氏が行ったのは、「創造力」の活用でした。業界の習慣や企業風土などの固定観念にとらわれず、斬新なアイデアやアプローチを導入しました。例えば、組織を小さなユニットに分け、各ユニットが独立採算制で運営されることで、迅速な意思決定と柔軟な対応ができました。
コスト削減や業務の効率化、新しいサービスの導入など、全社一丸となった努力が実を結び、倒産翌期には1800億円の営業利益を出し、再建わずか2年後の2012年には再上場を果たしました。この再上場は、世界でも最速の企業再建のひとつとされ、多くの人に影響を与えました。
創造力は社会人基礎力のひとつ
創造力は社会人基礎力のひとつです。社会人基礎力とは、経済産業省が提唱する「基礎学力」「専門知識」を生かす能力のことです。

社会人基礎力は、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力から構成されていて、その中で、創造力は考え抜く力に含まれる能力です。

考え抜く力の詳細はこちら
社会人基礎力の詳細はこちら
創造力とは?

創造力と言えば、何を思い浮かべるでしょうか。新商品やサービスを生み出すアイデア発想能力でしょうか。
社会人基礎力の創造力は、既存の発想にとらわれず、課題に対して新しい解決法を考える能力となります。つまり、問題解決で、固定観念にとらわれない新しい打ち手を考えるということです。
まず、問題解決の流れを見てみましょう。
あるべき姿と現状のギャップが問題です。次に、その問題を解決すべきかどうかを確認します。「本当に問題を解決するべきか?」「本来の目的は何だったか?」などを課題発見力で考えます。

※課題発見力の詳しい説明は下記をご覧ください。
次に、本来の目的を考えても解決すべきだとなったら、論理的思考(ロジカルシンキング)で原因を探ります。ただし、原因はひとつとは限りません。原因はいくつかあるかもしれませんし、さらに深い原因があるかもしれません。
原因追求ツリーを使って、原因を構造分解しながら整理します。

※論理的思考(ロジカルシンキング)の詳しい説明は下記をご覧ください。
原因を整理し、仮説演繹法で解くべき原因を決めます。これを論点と呼びます。

センターピンを狙う

センターピンとは、物事を進めるときに、全体へ最も影響が大きく、成果を出す鍵となるものです。センターピンはボウリングの中央ピンのことです。
センターピンを倒せば、多くのピンが倒せるように、効果的に課題を解決するためには、一番効果のある原因を解決します。仮説による論点決定です。センターピンを見極め、問題の本質を見出して全体への影響を考えようと考えます。
例えば、売上が下がったという問題に対して、さまざまな原因がある中、新規客が減ったという原因を論点にしたとします。その論点を解決できれば、効果的に売上がアップすると仮定します。
ただし、必ず課題にセンターピンがあるとは限りません。いくつかの原因が重なり合って、問題を生み出している場合があるからです。そんな場合は、一撃ストライクを狙うのではなく、効果のありそうな原因をいくつか潰すことになります。
なぜ、創造力が必要?
問題は常に同じではありません。今まで通用した解決法が通用しなくなるのは、環境や条件が変わっていくからです。そのため、創造力は、変化に適応するために新しいアプローチや視点を見つけられます。
今まで通用した解決法が通用しないのは、従来の方法では限界があるということです。創造力は、新しいアイデアや革新的な解決策を生み出す力です。固定観念にとらわれず、柔軟に考える能力が必要とされます。
創造力があれば、解決策がひとつだけではない場合、異なる視点からのアプローチができます。多角的な視点を持つことで、効果的な解決策を見つけることができます。
固定観念は、自分が知っている知識や技術、経験からくる固執した思考です。過去の成功体験や業界の習慣、常識などに縛られることがあります。しかし、固定観念がないという状態は、思い込まないということです。
柔軟性とは、知識や技術、経験がなく、言われるがままに流されるのとは違います。自分の考えはあるけれども、創造力を使って、新しいアプローチを見つけて受け入れられる能力です。
創造力を鍛えるには?

問題を解決するためには解決策が必要です。上司にこんな報告をしたことがありませんか?
「問題が発生しました。コレをしたら解決すると思うのですが…」
問題と解決方法をセットで報告する方法です。問題発生を報告しても、上司から「で、どうやって解決する?」って聞かれることがありますから、先手を打って解決法もセットで報告するわけです。
しかし、その解決法は最善の一手でしょうか。解決するのに費用や時間がかかったり、解決したとしても効果が薄かったりするかもしれません。
そこで、上司は報告を受けながら考えます。
上司の目線で思考してみると、「その解決法は最善の一手か?」と考えるのです。原因を探り、論点を探し、仮説を立てて打ち手を探しています。頭に思い浮かんだ解決策が、最善である保証がどこにもないのです。
解決方法を出すには?
解決方法を出す方法はひとつではありません。
- ひらめく
- ひねり出す
- マネる
アイデアはひらめくことがあります。心の緊張をとき、リラックスしたときに、「天から降ってくる」のを待ちます。ただし、天から降ってくるためには、今まで得てきた知識や技術、経験が土台になりますので発想は偏ります。
また、ブレインストーミング(出したアイデアに批判せず、自由にのびのびと発想を引き出す)という方法もありますが、これも偏ります。
芸術・アートなら発想の偏りは個性ですから、よい差別化になるでしょう。しかし、ビジネスの場合は、問題が効果的に解決できるかなので、保証という意味では低いと考えられます。
では、アイデアが偏らないようにひねり出すのはどうでしょうか。
例えば、SCAMPER法(7つの質問でにアイデアをひねり出す)、欠点列挙法・希望点列挙法(思いつく欠点を出して、解決法を検討する、または、思いつく希望点を出して、実現法を検討する)などのフレームワーク(思考の型)でアイデアを出す方法もあります。
どんな問題でも、決まったフレームワークで発想しますので、フレームワークの特性による偏りはでてしまうでしょう。
企業は、市場で競合他社と競争していることが多いでしょう。抱えている問題は、できるだけ効率的に解決しなければならない場合もあります。
他者のレベルまで素早く追いつくためには、他者の成功事例をマネるのも効果的です。
「パクリは嫌だ」という人もいるでしょう。そもそも、日本人は遣唐使・遣隋使の頃から、大陸の進んだ文化などをマネてきました。戦国時代の鉄砲伝来もそうですし、明治維新もそうです。
すぐれた文化を上手に取り入れられたからこそ、今の日本があります。ただし、「丸パクリ」はだめです。例えば、他業種の成功事例を自分の業種に応用するマネは効果的です。
アナロジー思考

「オフィスグリコ」を知っていますか?
お菓子メーカーであるグリコのサービスで、お菓子が入ったケースをオフィスに置きます。社員が食べたいものを取ると、集金箱にお金を入れます。
定期的にグリコのスタッフがお菓子を補充をし、代金を回収する仕組みです。コンビニまで買いにいかなくていいので便利なサービスです。
アイデアの発想元は「路上の野菜売り」を参考にしました。この方法はアナロジー思考と言います。
アナロジー思考とは、「これって、つまりアレみたいだよね」というように、違うものだけど、似ていたり、同じ要素があるものを解決策に使う方法です。
この例なら、商品を置いておいて、集金箱にお金を入れてもらい、商品を補充して代金を回収する仕組みが、路上の野菜売りに似ているわけです。
アナロジー思考の良い点は、新しい視点を早く気付けるということです。
マネるパターン
ひとことにマネると言っても、さまざまなパターンがあります。下記はその分類です、国内・国外からマネるパターン。そして、同業種・他業種からマネるパターンです。
日本は昔から文化が先行している海外からマネることが多くありました。戦後、ビジネスでも多くのものが海外から転用されてきました。
| 国内 | 海外 | |
| 同業種 | 競合事例の展開 | 海外事例の展開 |
| 他業種 | 他業種からの転用 | 他業種からの転用 |
海外事例の国内展開
日本にはないビジネスモデルや商品・サービスは、まだまだたくさんあるでしょう。たとえば、Uberのようなビジネスモデルなど、海外で発展されたビジネスモデルが形を変えて、日本で展開されることはよくあります。
日本語でリサーチをするよりも、海外のサイトを翻訳機能を使って、調べたほうが解決策のヒントが出せるかもしれません。
他業種からの転用
例えば、サブスクリプション型のサービスは、昔からある新聞購読の仕組みと同じです。他業種で成功しているモデルを転用しています。
顧客のニーズは、業種が違ったとしても、本質は変わらないことがあります。そこで、自分が展開している業種へ転用することで新しい価値が生まれます。
競合事例からの展開
同じ業界をマネることもあります。当時「すき屋」は、後発企業として、「吉野家」の二番煎じと言われていました。しかし、今では吉野家よりも売上が上回っています。
すき家は、新商品、期間限定メニューを毎月出し、価値を上げ、値上げをするなど柔軟に発展させて、差別化をしました。
どの業界でも先駆者利益はありますが、同じ解決策を続けて勝ち続けられるとは限りません。顧客のニーズは変わりますので、それをキャッチして素早く対応していくことが求められます。
まとめ
創造力とは、固定観念にとらわれずに課題に対して新しい解決法を考える能力です。問題解決の過程では、問題を認識し、本来の目的を考えながら解決すべきかを判断します。原因を探り、解決をするのに効果的な原因を見極めて解決策を実施します。
環境や条件が変わる中で、従来の方法では限界があるため、創造力が必要です。
創造力を鍛えるためには、他者の成功事例を取り入れ、多角的な視点から柔軟に考えることで、効果的な解決策を見つけていきます。
人にとって、知識やスキル、経験は大切です。しかし、それらが固定観念となり、固まった思考になると変化についていけなくなります。
ときには柔軟に、ときには変化を恐れず、新しいことにもチャレンジしたいですよね。ぜひ、創造力を鍛えて、新しい方法で問題を解決してみてください。






