社会人基礎力に役立つ!情況把握力の鍛え方とは?

チームで働く力
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相手の意図が掴めず誤解が生じる…」「予期しない事態に対応できない…」こんなことを感じたことはありませんか?

昔、「KY:空気読めない」という言葉が流行語になりましたが、日本には、昔から「場の空気を読む」ということがスキルとしてありました。今回は、そんな情況を把握する力について説明します。

空気を読んだのは年貢から逃れたかったから

さかのぼること、江戸時代。国民の8割が百姓でした。彼らは年貢(今でいう税金)を納める義務がありましたが、その取り立ては厳しいものでした。そこで百姓たちは、「今年も不作で続きで…」といったスタンスをとり、年貢の負担を軽くしようとしました。

しかし、実際にはしっかりと蓄えを持っていて、見た目はボロボロの服を着ていても、裏地には豪華な生地を使っていたそうです。もし、彼らの蓄えがばれてしまったら、年貢は増え、罪に問われることもありました。そのため、彼らは周囲の顔色をうかがい、ひっそりと生きる術を身につけていたのです。

この「顔色をうかがう」「空気を読む」という行動は、現代にも受け継がれています。江戸時代では、空気を読めないことは命取りでした。ですから、周囲の状況を敏感に感じ取り、自分の行動を調整することで身を守っていました。

例えば、新幹線の中で静かにしていたり、においのきつい弁当は控えたりするのは、昔から続く生き残る術の生存戦略の名残なのかもしれません。

ちなみに、相手を思いやる行動を表す言葉は、いくつかあります。

  • 顔色をうかがう…相手の表情を見て自分の行動を決める
  • 空気を読む…その場の雰囲気を感じて適切な行動をする
  • 忖度…相手の考えや意向を推測して行動する
  • 気遣い…相手の気持ちや状態を気にかけて行動する
  • 気配り…周囲全体に対して細やかな注意を払う

情況把握力は社会人基礎力のひとつ

情況把握力は、社会人基礎力のひとつです。社会人基礎力とは、経済産業省が提唱している基礎学力・専門知識を生かす能力のことで、前に踏み出す力考え抜く力チームで働く力3つの能力から構成されています。情況把握力は、チームで働く力に含まれた能力です。

社会人基礎力の詳細はこちら

状況把握力と情況把握力の違い

まず、「状況把握力」と「情況把握力」の違いについて説明します。どちらも「把握する力」ですが、「状況」と「情況」は若干意味が違います。

状況把握力

状況把握力は、周りの状況や自分の立場を理解する力のことです。例えば、会社で働いているとします。上司が忙しそうにしていたり、同僚が助けてほしそうにしていたり、自分の仕事がたくさん残っているといった状況を理解することが「状況把握力」です。

つまり、目に見えることをしっかりと認識する力です。

情況把握力

次に、情況把握力は、状況把握力よりも一歩踏み込んで、相手の気持ちや背景にある事情まで理解する力のことです。例えば、先ほどの例で説明してみると、上司が忙しそうにしているのはなぜか? もしかしたら重要なプロジェクトで、プレッシャーを感じているかもしれません。同僚が助けてほしそうなのは、問題を抱えていて困っているからかもしれません。

このように、目に見えることだけではなく、その裏にある事情や感情まで読み取る力です。

例で比較

  • 状況把握力:店で多忙なウェイターを見て、「今は注文しないほうがいいかな」と判断する。
  • 情況把握力:店で多忙なウェイターを見て、多忙な理由を考え、「もしかしたら、新人だから慣れていないのかも」と思い、少し優しく対応する。

情況把握力のほうが、少し深く踏み込んで理解する力です。

情況把握力のある人の特徴

主体性を発揮できる

情況把握力がある人は、主体性を発揮できます。なぜなら、ただ自分のやりたいことをやるのではなく、周りの状況や他人の気持ちを考えて行動できるからです。

主体性を発揮する際には、「自分がやりたい」「自分が良いと思った」という理由だけでは自分勝手になります。周りの人にとってもプラスになるかどうかを考えることが大切です。

たとえば、職場で新しいプロジェクトを提案したいとき、情況把握力がある人は、まずチームの状況を理解します。今みんなが忙しいなら、その提案は後回しにするか、提案の仕方を工夫します。自分の行動が周りにどんな影響を与えるかを考えて、効果的なタイミングと方法を選びます。

周りの人に配慮できる

例えば、チームでプロジェクトを進めていたとします。自分が担当するタスクが予定より早く終わったとします。ここで、2つの選択肢があります。

「自分の仕事は終わったから、もう帰ろう」という考え方。

「自分の仕事は終わったけど、チームのメンバーはどうだろう? 何か手伝えることはないかな?」という考え方。

情況把握力がある人は、2つめの方法を選びます。なぜなら、チーム全体の状況や他のメンバーの負担を考えて行動するからです。メンバーがたくさんの仕事を抱えているなら、手伝うことで、チーム全体の進捗が良くなります。

情況把握力を鍛えるメリット

優先順位がつけられる

仕事で優先順位を付けることは大切です。やることがたくさんあると、どれから手をつけていいか迷うこともしばしば。そんなとき、「本当に必要なことは何?」と「後回しでも大丈夫なことは?」を見極められると、仕事の効率が上がります。

例えば、仕事で急ぎのプレゼン資料と、来週のミーティングの資料作りがあるとします。急ぎの方にまず集中して、余裕ができたら他のことに取りかかるといった感じです。

計画が的確に立てられる

計画を立てるのがうまくなると、問題解決がしやすくなります。今、何が問題で、どうやって解決すればいいのかを理解して、計画を立てられます。

例えば、旅行の計画を立てるとき、今の天気や交通状況を考慮して、どのルートを使うか、どこに泊まるかを決める感じです。実現可能な計画を立てると、無理なく進められます。

チームをまとめられる

「チームをまとめるのは大変だ…」そう思う人も多いと思います。自分だけではなく、周りの人の状況も見て、今何をすべきかを的確に指示できると、メンバーに喜ばれます。

例えば、メンバーが疲れているときは少し休憩をはさむとか、誰かが得意な分野を任せるとか。状況を把握して動けると、チーム全体がうまく回ります。

役割分担ができる

チームの現状を把握していると、誰が何をするべきかが分かるので、効率よく物事が進みます。

例えば、プロジェクトを進めるときに、それぞれの得意分野や経験を活かして役割を分担すると、一人ひとりが力を発揮できて、全体のパフォーマンスが上がります。

情況把握力を鍛える方法

情況把握力を鍛え方について説明します。

鷹の目になって俯瞰する

俯瞰とは、細部にとらわれず全体を見ることです。広い視野を持つことで、チームの中で自分がどのような役割を果たせばいいのかが見えてきます。

例えば、プロジェクトの進捗状況を全体的に把握することで、自分の作業がどのように影響するかを理解し、適切な対応ができます。また、自分の作業が遅れている場合には、チームメンバーと協力してスケジュールを調整します。

自分と周囲の違いを理解する

周囲の人との違いを理解することも大切です。同じ仕事をしている同僚がどのように取り組んでいるかを観察し、自分との違いを比較することで、新たな視点を得ることができます。これにより、自分の強みや弱みを客観的に理解し、改善点を見つけることができます。

例えば、同僚がどのようにタスク管理をしているかを観察し、自分と比較します。もし同僚が効率的にタスクをこなしているのなら、その方法を学び、自分の作業にも取り入れます。

自分の強みを知る

自分の強みを明確にすることも重要です。もし、問題解決が得意であれば、トラブルが発生した際に率先して解決策を提案することができます。自分の強みを知り、それを最大限に活かすことで、チームに貢献することができます。

例えば、自分が得意とするスキルをリストアップし、それを活かせるプロジェクトやタスクに積極的に取り組むようにします。

周囲の状況を観察する

常に周囲を観察することも大切です。会議中に他のメンバーがどのように発言しているか、どのような意見が出ているかを観察することで、チームの動向や課題を理解することができます。これにより、自分がどのような行動を取るべきかを判断しやすくなります。

例えば、会議中にメンバーの意見や反応を観察し、チーム内での意見の流れや課題を把握します。そして、自分の意見を適切なタイミングで発言します。

自分の立場を常に考える

自分が組織内でどのような立場にあり、どのような行動を求められているかを認識することも重要です。リーダーであればチーム全体を見渡し、メンバーがスムーズに仕事を進められるようにサポートすることが求められます。自分の立場に合った行動を取ることで、チーム全体の調和を保つことができます。

例えば、リーダーとして、メンバーが困っている場合にサポートし、チーム全体のモチベーションを維持します。

優先順位を常に意識する

今すぐにやるべきことと、後回しにしてもよいことの優先順位をつけることも重要です。締め切りが迫っている仕事を優先し、重要だけど緊急ではないタスクを後回しにすることで、効率的に作業を進めることができます。優先順位をつけることで、時間管理がうまくなり、結果として情況把握力も鍛えられます。

例えば、締め切りが近いタスクをリストアップし、優先的に取り組みます。緊急ではないが重要なタスクは、スケジュールに組み込み、計画的に進めます。

組織の方針に従って行動する

組織の方針に従って行動することも大切です。自分勝手な行動やチームの方針に反する行動は、チーム全体にとってマイナスになることがあります。プロジェクトの目標や方針を理解して、その枠組みの中で自分の役割を果たすことが求められます。

例えば、プロジェクトのガイドラインや方針を確認し、それに基づいて行動します。チームメンバーと連携し、組織全体の目標に向かって協力します。

疑問に感じたら調べる

少しでも疑問に感じたことは放置せず、納得できるまで調べることが大切です。新しいプロジェクトに取り組む際に、関連する情報を積極的に集めることで、全体像を把握しやすくなります。日常的に情報収集を行う習慣をつけることで、状況把握力が鍛えられます。

例えば、新しいプロジェクトやタスクに取り組む前に、情報を集めて、理解してから作業を開始します。

先入観を持たない

先入観を持たずに物事を見ることも重要です。「この方法は前回うまくいったから今回も大丈夫だろう」という考えを持たず、常に「本当にそうだろうか」と疑いを持ちながら現状を分析することが大切です。

例えば、新しいプロジェクトに取り組む際に、過去の成功例だけでなく、新しい視点や方法を取り入れて分析します。

もしもを想像してみる

「もしもこうだったら」ということを想定することも大切です。計画が思い通りに進まなかった場合に備えて、代替案を考えることで、状況の変化に柔軟に対応することができます。これにより、情況を把握する力が養われます。

例えば、プロジェクトのリスク管理として、いくつかのシナリオを考え、それぞれに対する対応策を準備します。

これらのポイントを日常の行動に取り入れることで、情況把握力を効率的に鍛えることができます。俯瞰的に物事を見る習慣を身につけ、自分の立場や役割を常に考え、行動することが大切です。

まとめ

情況把握力は、周りの状況や自分の立場を理解し、相手の気持ちや背景にある事情まで理解する力のことです。情況把握力を鍛えると、仕事で優先順位をつけることができたり、計画を的確に立てる能力も上がります。さらに、チームをまとめる力も養われます。メンバーの状況を把握し、適切な指示を出すことで、チーム全体が円滑に機能します。

情況把握力を鍛える方法には、まず俯瞰的に物事を見ることです。細部に囚われず全体を見渡すことで、適切な対応が可能になります。また、自分と周囲の違いを理解し、他者のやり方を観察することも有効です。これにより、自分の強みや弱みを把握し、改善点を見つけられます。

また、自分の強みを知り、それを活かすことも重要です。周囲の状況を常に観察し、自分の立場を考え、適切な行動を取ることで、チーム全体の調和を保つことができます。優先順位を意識し、緊急のタスクに集中することで、時間管理が上手になります。

さらに、組織の方針に従い、疑問に感じたことは納得するまで調べる習慣をつけることも大切です。先入観を持たずに現状を分析し、代替案を考えることで、柔軟な対応力が養われます。これらの方法を日常に取り入れることで、情況把握力を効果的に鍛えることができます。

ぜひ、情況把握力を鍛えて、チームに貢献してはいかがでしょうか。


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