【図解】社会人基礎力に役立つ!クリティカルシンキングとは?

考え抜く力
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クリティカルシンキングって何?」「客観的に見れない…」という方に、できるだけわかりやすく、説明します。

クリティカルシンキングは、批判的思考とも言いますが、相手の考えや発言を批判することでも、ネガティブな思考になることでもありません。

そこで、今回は、リカレント教育(学び直し)で、苦手克服できるようにやさしく説明します。

ミカタ部長
ミカタ部長

この記事は次のような人におすすめ!

  • クリティカルシンキングを鍛えたい人
  • 問題解決力を上げたい人

クリティカルシンキングは社会人基礎力のひとつ

クリティカルシンキングは社会人基礎力のひとつです。社会人基礎力とは、経済産業省が提唱する「基礎学力」「専門知識」を生かす能力のことです。

社会人基礎力は、前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」3つの能力から構成されています。クリティカルシンキングは、考え抜く力に含まれます。

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お土産のクイズ

友人の家に遊びに行きました。お土産に小さめのホールケーキ(丸いケーキ)を買って行きました。

そこで、2人が納得するようにケーキを2つに切り分けたいと考えています。さて、どのようにケーキを分けたらよいでしょうか?

クリティカルシンキングなら、「1人ができるだけ、半分になるように切り分け、もう1人に好きな方を選んでもらう」という方法で解決します。

大切なのは、「2人が納得するように」という部分です。大きさや重さを測って、正確に2等分することが論点(解くべき問題)ではありません。

もし、「どうすれば正確に2等分できるか?」を論点にすると、解決は大変になってしまいますが、「どうしたら納得できるか?」を論点にすると解決が楽になります。

ちゃぶ台返し

ちゃぶ台返し」という言葉を知っていますか? ちゃぶ台とは、食事などをするための小さなテーブルです。昭和時代に広まり、家族が集まって食事をしたり談笑したりする場で使っていました。

戦後のドラマや漫画では、父親が家庭内の不満や怒りを表すために、ちゃぶ台をひっくり返すシーンが描かれ、強烈な感情を表現していました。

言葉では表現しきれない感情を視覚的に伝える手段として行われていました。クリティカルシンキングは、ちゃぶ台返しのように、すべてをひっくり返すためのものではありません

クリティカルシンキングは、批判的な思考で考えますので、ときには根本が覆ることもあります。しかし、ちゃぶ台返しのように、感情の一時的な発散ではなく、解決策の手段なので大きく違います。

クリティカルシンキングとは?

クリティカルシンキング(批判的思考)とは、物事や情報を無条件に受け入れるのではなく、さまざまな視点から考え、理論的、客観的に理解する思考法です。

なんでもかんでも「相手を非難する思考」というの誤解です。また、本来の目的や本質を見極めるために、質問をすると相手が「非難されている」と否定的なイメージを持つ場合があります。

例えば、部下が資料を社外で紛失したとします。そのときに「なぜ、社外に持ち出したのか?」と聞いたとします。これは、そもそも、資料を社外に持ち出さなければ、なくすことがなかったからです。

また、「なぜ、データを相手にメールで送らなかったのか?」というのも同じです。そもそも、データを紙に印刷するからなくすのであって、データを送ればなくすこともなかったからです。

こういった「そもそも論」は、質問された側からすると、「詰められている」ように感じることがあり、「行動を否定されている」と感じるかもしれません。

クリティカルシンキングで大切なことは、相手を傾聴し、証拠や論理、感情を的確に解釈し、自分の考えに誤りや偏りがないかを振り返ることです。

相手の発言に耳を傾けずに、挙げ足を取ることは単なる批判です。

ちなみに、問題解決を行う際には、ロジカルシンキングだけを使うのではなく、ラテラルシンキングやクリティカルシンキングも使います。3つの思考法の違いについては、関連記事をご覧ください。

間違った問題を解決しない

学校のテストで出される問題には、答えが必ずあります。そして、しっかりと勉強していれば解けるようになっています。しかし、社会に出ると解けない問題や解いてはいけない問題があります

問題解決は、正しい問題を解くことが前提です。しかし、解いている問題が正しいとは限らないので、解くべき問題かどうかを気付く力が必要です。

例えば、会社の売上が低迷していたとします。部下から問題は、町の過疎化だと言われました。この問題は解ける問題でしょうか。また、解いてもよい問題でしょうか。

町にとって過疎化は問題です。過疎化は市町村にとって税収が下がり、市民サービスの質が下がるかもしれません。しかし、会社の業績の問題にしてしまうと、社員が過疎化対策を行うことになってしまいます。

テーマが大きいので、会社の資源(ヒト、モノ、カネ)では、解決できくなってしまいます。つまり、解いてはいけない問題です。

問題解決能力が高い人は、過疎化や少子化といった難問を解くのが上手なのではなく、解けそうな問題しか解かないので、鮮やかに解決しているように見えるだけです。

つまり、問題解決は、論点の善し悪しで決まります。

下記のような問題は、1企業、1店舗の問題としては大きすぎるでしょう。

  • 政治的要因(ビジネスを規制する法律や政治動向など)
  • 経済的要因(経済水準・所得変化・為替変動・金利など)
  • 社会的要因(人口動態の変化・価値観・倫理観・流行の変化)
  • 技術的要因(ビジネスに影響を与える技術動向)

上手な疑い方

同僚や部下から仕事の悩みを相談されたときに、問題と原因をセットで言われることはありませんか?

例えば、「業績低迷です。商品が高いからです」。と言われたとします。確かに業績は低迷しています。原因のひとつは商品の価格設定にあるかもしれません。しかし、ほかにも原因はあるかもしれませんし、原因を掘り下げる必要もあるでしょう。

必要なのは、「本当の原因は何か?」というクリティカルシンキングです。さらに調べてみると、価格が高いのが原因ではなく、競合他社が出てきたからかもしれません。市場が激化し、価格競争になって、消費者が優位に選択できるから、選ばれなくなっただけかもしれません。

そこで、価格競争に巻き込まれないように、商品を差別化することが問題だということになれば、解決策は商品の値下げではなくなるかもしれません。

さらに疑ってみる

同僚や部下から仕事の悩みを相談されたときに、問題と解決策をセットで言われることもあります。

例えば、「業績低迷です。商品を値下げすべきです」。と言われたとします。確かに業績は低迷しています。原因のひとつは、価格が高いからかもしれません。しかし、原因は他にもありそうですし、解決策もひとつとは限りません。

セールスパーソンが成績不振の場合、だいたい原因は「商品やサービスの品質が低い」「商品やサービスの価格が高い」「納期が遅い」と言われることが多いでしょう。

ですが、「品質が高く、納期も早く、価格が安い」ものは、そうそうありません。トレードオフの関係のものを問題とすると解決は難しくなります。

QCDとは、品質、コスト、納期がトレードオフの関係になっていることを表現しています。企業は多くの問題を抱えています。売上や利益の問題から、社員のモチベーションや定着率などです。

しかし、すべての問題は解決できませんし、一般的には問題とされても、その会社にとっては論点とは限りません。

世界の市長

1992年、ニューヨーク市では2,000件以上の殺人事件、62万件以上の重罪事件が起こっていました。ところが5年後、殺人事件は64%も減り、重罪事件も50%に減りました。

いったい、ジュリアーニ前ニューヨーク市長は、何をしたのでしょうか?

当時、ニューヨーク市は犯罪が多発していました。貧しい地区では、日が落ちると誰も外を歩かず、街路がゴーストタウンのようになっていました。

市長が最初に着手した問題は、「路上でのゆすりをいかに減らすか」でした。ゆすりとは、赤信号で止まった車に近づいて、勝手に窓を拭き、脅して金銭を支払わせるというものでした。

ゆすりは、現行犯でなければ逮捕はできませんでした。そこで、市長は「交通違反の道路横断を取り締まる」ことを思いついたのです。

交通違反キップを切り、その段階で逮捕状が出ているかどうかを調べます。その結果、1か月もしないうちにゆすりは激減しました。

さらに、警察を増員して街頭パトロールを強化しました。落書き、未成年の喫煙、無賃乗車、万引きなど軽犯罪を取り締まりを行いました。その結果、軽犯罪が減り、環境が良くなったことで凶悪犯罪も減りました。

市長は「いきなり凶悪犯罪を減らせないから、軽犯罪を取り締まった方が簡単で、結果として街が安全になる」ということに気づき、論点(解くべき問題)としたのです。

クリティカルシンキングの鍛え方

クリティカルシンキングの鍛えるには、批判的思考ができる状態を作ることです。

まず、ロジカルシンキングで使った、原因追求ツリーを使って、問題の原因を見えるようにします。これにより、そもそも解くべきも問題かどうか、論点にすべきかどうかを見えるようにします。

ロジカルシンキングについて詳しく知りたい方は下記をご覧ください。

次に、原因が洗い出され、見えるようになれば、絞り込んで論点にします。このときに、大切なのが、思い込みの排除です。

本質や目的を確かめるときに、勝手な思い込みをすることがありますので、気を付ける必要があります。

PAC思考

PAC思考とは、思い込みを排除するための思考法です。前提、仮定、結論の3要素で状況を分析し、論点の妥当性を確認します。

まず、検討内容をPACに分解し、仮説が正しいかを確認します。次に、前提と結論の結びつきを確認します。前提から結論に導くためには仮定が必要です。そのため、結論を示すのに前提以外に理由がないかを確認します。

次に前提が正しいかを確認します。また、前提条件は今後も変わらないかを確認します。

認知バイアス

認知バイアスとは、偏見や偏向といった一方的な解釈を排除することです。認知(物事を見て理解し、判断する心の動き)がバイアス(経験などによって考えが偏る)されます。思い込みです。

思い込みは、バイアスに気付き、クリティカルシンキングをする方法があります。

また、思考の停止はメタ認知により、俯瞰して客観的に考えて対応し、相手の立場になって考えるなど、相手目線で対処します。

人の思考には、その人の思考の癖があります。自分が考えたことを振り返り、客観的に見つめ直すことで、クリティカルシンキングが鍛えられます。

人は誰でも思考の癖や隠れた前提がありますので、考える癖を付けます。

例えば、「赤字の事業」があったとします。論理的には撤退が正しいと思っても、経営者が「創業期の思い入れのある事業」という前提があれば、撤退という結論には至らないこともあります。

まとめ

与えられた原因や解決法を鵜呑みにしないことです。問題を与えられたときには「論点設定は間違っていないか」という視点を持つことが大切です。

今は、情報過多です。フェイクニュースなども横行しています。なんでもかんでも鵜呑みにするのは良くないことでしょう。特に、この時代はクリティカルシンキングが求められています。

与えられた問題は正しいとは限りません。そのまま解いても正解にはつながらない可能性もあります。

普段から論点を見つけ出す訓練をしておかないと、問題解決時に論点を間違え、解いてはいけない問題を解いてしまうかもしれません。

ぜひ、普段からクリティカルシンキングを意識する習慣を身に付け、「本来の目的は何か?」と自分自身に問いかけてみてください。原因も解決策もひとつだけではないことに気付けます。


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