社会人基礎力に役立つ!柔軟性の鍛え方とは?

チームで働く力
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頑固で頭が固い…」って言われれて悩んでいませんか?

人の意見を聞かず、マイルールに固執、一度決めたことを貫き通そうとする人。もしかしたら、原因は「柔軟性」にあるかもしれません。会社では、社内外の人と連携することも多くて、柔軟性がないと社会や業界、企業、組織の変化についていけなくなります。

今、企業では臨機応変に対応できる人を求めています。そこで、今回は柔軟性について説明します。

ミカタ部長
ミカタ部長

この記事は次のような人におすすめ!

  • 柔軟性を鍛えたい人
  • 臨機応変に対応したい人

日本人は柔軟性が高かった!?

日本は海の囲まれた島国です。はるか昔、進んだ文明は、いつも海の向こうからやってきました。海外の文明に興味を持ち、いつも柔軟に取り込んでいきました。実際、遣隋使・遣唐使は大陸から文化や政治の制度、仏教など多くのものを輸入しました。

時は1543年。日本人は鉄砲を手に入れました。驚くことに、この新兵器を国産化し、戦術を編み出し、伝来後、たった5年で織田信長は鉄砲を実戦投入しました。

当時、ヨーロッパ諸国は、新しい貿易先と領土を求めて航海を行っていました。大航海時代です。ポルトガルもアジアへの貿易を開拓しようとしていました。アジアの香料や絹、陶磁器などの高価な品に興味があったからです。

鉄砲を手に入れたのは偶然でした。ポルトガル船が中国へ向かう途中に、嵐によって鹿児島県の種子島に漂着しました。この時、船には鉄砲が積まれていて、それを見た地元の領主が興味を持ち、購入したのです。

鉄砲が伝来した当時は戦国時代。戦国大名たちは鉄砲に興味を持ち、競って鉄砲を購入し、その製造方法を学びました。これにより、鉄砲は急速に日本全国に広まったのです。

その後、江戸時代の鎖国によって、海外の文明に対する「好奇心」は高まりました。列強の脅威への危機感もあり、好奇心と柔軟性によって封建社会から脱却し、幕末・明治時代へ、近代国家へと急速に変革しました。

日本人は世界の変化に好奇心を持って、柔軟に対応してきたのです

柔軟性は社会人基礎力のひとつ

柔軟性は社会人基礎力のひとつです。「社会人基礎力」とは、経済産業省が提唱する「基礎学力」「専門知識」を生かす能力のことです。

社会人基礎力は、前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」3つの能力から構成されていて、その中で、柔軟性はチームで働く力に含まれた能力です。

社会人基礎力の詳細はこちら

柔軟性とは?

柔軟性とは、相手の主張や考え、立場の違いを思いやる力です。会社では、生れも育ちも違った人たちが集まって共に仕事をします。仕事をしてきた背景や経験が違うので、意見や考え方が異なるのは当然のことです。

そこで、相手がどのような状況や環境にいるのかを想像し、自分とは違う意見や価値観を受け入れることで、対話がスムーズに進み、互いの違いを認め合うことができます

そのためには、客観的な視点を持つことです。感情的にならず、相手の意見を客観的な視点で見て、バランスの取れた議論をします

例えば、意見が対立した場合でも、冷静に相手の意見を理解して、自分の意見を伝えることで、前向きな対話ができます。

また、相手の意見や立場を尊重します。尊重とは、相手の価値観や意見を認め、違いを受け入れることです。

例えば、プロジェクトの進め方で意見が対立したとします。そのときは、相手の意見や考えを理解し、共感することが大切です。相手の話を聞き、意図や背景を理解することで、共感が生まれます。

そして、相手の意見を尊重しつつ、自分の意見を冷静に伝えることで、柔軟な対話ができます。このようにして、互いの違いを思いやり、尊重しながら協力することで、プロジェクトを成功へと導きます。

なぜ、柔軟になれないのか?

柔軟性が大切だということは、多くの人はわかっています。しかし、わかっていても、柔軟になれないのには、いくつかの理由があります。

正論と思い込んでいる

プロジェクトの進め方を決めるときに「これが正しい」と思ってしまうと、それ以外のものが受け入れづらくなることがあります。ひとつの答えに固執すると、それ以外の価値観が認められれなくなるわけです。

そもそも、ビジネスに絶対はありません。成功することもあれば、失敗することもあり、なんなら、失敗することのほうが多いくらいです。その中で、「正しさ」や「正義」「正論」は不確かです。自分の意見にこだわるのではなく、視点を変えて相手の目線で考えることができたら、柔軟性が出ます。

価値観を押し付ける

人によって価値観は違います。大切にするポイント、こだわるポイント、仕事をしていると考え方が違うことはよくあります。仕事の経験があるほど、成功体験があるほど、「こうあるべき」が強く、価値観を押し付けてしまいがちです。

しかし、「歳が若くて経験が浅くても、違った価値観の人がいてもいい」と思うことができたら、柔軟性が出てきます。

社会人基礎力の中にある「規律性」を思い出してください。社会には規律やマナー、道徳などがあります。自分にとっては常識で当たり前のことが、相手にとっては、当たり前ではないかもしれません。

知らないことを教えてあげるのは、やさしさかもしれませんが、価値観の押し付けになる可能性もあります。そんなときに、ちょっとした配慮があるだけで変わります。

頑固になる

「歳を重ねると頑固になる」と言います。実際は人によります。頑固になる人もいれば、柔軟になる人もいるでしょう。頑固になる理由は、歳を重ねるごとに新しい挑戦が減り、物事の判断材料は過去に得た知識や経験に頼るため、新しい価値観に抵抗感がでるそうです。

確かに、歳を取れば人より多くの経験を積み、いろいろな価値観に触れてきたでしょう。本来なら、歳を重ねれば重ねるほど柔軟になっていってもいいはずです。

しかし、周りよりも年上になったり、組織の責任者になると、まわりの人から意見や反論、指摘は減っていきます。指示や命令を出せば、部下はそのとおりに動いてくれますから、「自分は正しい」と思い込むわけです。

さらに、組織の責任者は「成果」に責任を負います。それゆえ、責任を負えない部下の意見が聞けず、「責任の取れない人の意見」としか思えなくなります。そうなると、行きつく先は自分の思うようにふるまう「ワンマン」な独裁者です。

勝ち負けにこだわる

議論をしていると、勝ち負けにこだわる人がいます。気が付けば、揚げ足取りになり、議論のための議論をし、負けそうになると論点ずらし…。不毛な戦いでしかありません。

こういった競争思考は、「仕事を奪われるかもしれない」「ポジションが脅かされるかもしれない」など、恐怖心からきていることがあります。

そうなると議論に負けるわけにはいかず、負けたら自分の過去の実績や価値観が否定されたように感じ、最悪は存在までもが否定されたように感じてしまいます。

「折れて勝つ」という言葉があります

ミカタ部長
ミカタ部長

私も、社会人1年目のときに上司に教わった言葉です。

折れるとは、主張を取り下げるということです。相手の主張と対立したときに、相手の主張を通すということです。

折れることで、相手の主張が通ります。すると、相手は、「この人は共闘・協力できる人だ」と感じ、相手から信頼され、より強力的になります。

あと、完璧主義の人や負けず嫌いな人は、チームワークが難しくなります。企業の目的、組織の目的はチームで成果を出すことなので、その目的よりも個人の「達成感」や「勝ち」を優先したいからです。

コンフリクトとは?

コンフリクトとは、対立や衝突という意味です。相手と意見が合わず、お互いに対立してしまうことです。人対人でも起こりますし、ピラミッド型組織の場合は、組織間でよく起こります。

コンフリクトの原因は、「自分優先」「自分の組織優先」と考えるからです

経営者は、売上の予算を達成してもらうために、ヒト、モノ、カネなどの経営資源を組織に分配します。すると、部長はその資源を使って、売上目標を達成するために、各従業員に目標やKPIを割り当てます。部長にとっては、部の目標が一番大事、課員にとっては、自分の目標が一番大事になります。そこで、起きるのがコンフリクトです。

他の部署との連携や他の課の連携、メンバー間で、自分の目標が一番大事となると、それ以外がすべて邪魔に見えてしまいます。

例えば、営業部に属していたとしましょう。営業の目標は売上であり、契約や受注です。情報システム部から内部統制のためにワークフローシステムを導入すると言われました。また、製造部から商品の製造が遅れると連絡があり、納品が遅れそうです。

営業部から見ると、すべてのことが足を引っ張っているように見えます。

コンフリクトを解決するためには、まずは、企業全体の目的と目標を考えることです。そして、話し合い、お互いに意見を交わすところから始めます。その際に、相手の立場を理解することです。

共感することで、相手が受け入れられていると感じます。自分の意見が否定されているわけではありませんから、あくまでも冷静に対処します。

折り合いをつけるには、中間点を探す方法があります。両方の意見を取り入れた解決策を見つけます。ときには、妥協することもあるかもしれませんし、第3の案に落ち着くかもしれません。自分の意見もしっかり伝え、相手の希望も尊重することで、双方が満足できる解決策を探ります。

妥協とは、お互いの意見が対立した際に、お互いが歩み寄って合意できることです。完璧主義や負けず嫌いだと、「なんとしても相手を説得すべきだ」となり、折り合いがつきません。

ただし、自分の意見の中に優先事項や譲れないものがある場合は、あらかじめ伝えておきます。そうすることで、折り合いをつけたときに、優先事項を考慮してくれる可能性があります。後出しは、話がややこしくなります。

折り合いをつける妥協点は、お互いになんらかのメリットがある点です。お互い、ゆずる部分がある代わりに得る部分があるわけです。ですから、お互いのメリットは何なのか、お互いのゆずれないものは何なのかを明らかにする必要があります。

妥協というと、「弱さ」「諦め」といった、ネガティブなイメージを持っている人もいるでしょう。

「妥」という字は「安定」という意味があり、「協」という字は「協力」を意味します。

「妥協」は「お互いに協力して安定した状態を作る」というポジティブな意味になります。

コネチカットの大妥協

1787年のこと。アメリカの独立後、13の州が集まり、フィラデルフィアで新しい憲法を決めるための会議が開かれました。この会議では、大きな州と小さな州の間で強い意見の対立がありました。特に議論の焦点は、各州が連邦政府でどれだけの代表権を持つかという点でした。

  • 大きな州:人口の多い州は、代表権も人口に比例して多く持つべきだと主張(比例代表制)
  • 小さな州:人口の小ない州は、大きな州と同等の代表権を持つべきだと主張(平等代表制)

この対立はとても激しく、会議の進行が困難になるほどでした。しかし、ここでコネチカット州の代表が提案した「コネチカットの大妥協」が、事態を打開しました。

この妥協案では、2院制の議会を設けることが提案されました

  • 下院(代議院):各州の代表は人口に比例して配分される(大きな州の意見を反映)
  • 上院(元老院):各州は平等に2名の代表を持つ(小さな州の意見を反映)

この妥協案により、両州の意見が尊重され、新しい憲法が無事に制定されたのです。

対立する意見や立場がある場合でも、双方が納得できる妥協点を見つけることが重要だという事例でした。妥協は、互いに譲り合うことで、より大きな目標を達成するための手段となります。

まとめ

柔軟性とは、相手の立場や考えを思いやり、違いを受け入れる力です。相手の状況を理解し、客観的な視点で意見を評価し、感情的にならずに冷静な対話を行うことで、互いに尊重し合うことができます。

柔軟性が欠ける理由として、自分の意見に固執することや価値観の押し付け、経験に頼る頑固さが挙げられます。また、議論での勝ち負けにこだわることも柔軟性を妨げます。

コンフリクト(対立)を解決するためには、話し合いと妥協が必要です。妥協はお互いに協力し、安定した状態を作るためのポジティブな手段です。

今は、VUCA(予測不可能)の時代です。時代の流れに対応できる柔軟性、チームで仕事をする際に協調する柔軟性が求められています。ぜひ、柔軟性のある人を目指してみませんか?


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