社会人基礎力に役立つ!傾聴力の鍛え方とは?

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ねえ、話聞いてる?」って言われることはありませんか? 話を聞いているつもりでも、聞いていないと言われる人。逆に、話を聞こうと思っていても聞けない人は、もしかすると原因は「傾聴力」にあるかもしれません。

最近は、1on1などで上司と部下が1対1で面談する機会も増え、相手が目の前にいても、コミュニケーションが深くならないと悩まれるがいます。そこで、今回は、この傾聴力について説明します。

人の話が聞けない理由とは?

コミュニケーションとは、情報や気持ち、感情を相手と交換することです。お互いの意思を伝えあい、理解し合うことを意思疎通といいコミュニケーションには大切なスキルです。

コミュニケーションはお互いの意思疎通ですから、伝え方だけではなく、受け取り方も大切になってきます。コミュニケーションで最も伝わるのは1対1の対面です。目の前に相手がいれば、話を合わせられますし、反応によって対応も変えられます。

しかし、いくら目の前で話をしていても、相手が聞いているかどうかはわかりません。聞いているようで聞いていないこともよくあります。いったい、なぜ、人は話を聞いていないことがあるのでしょうか?

ある調査では、人の話すスピードは1分間に約300字です。しかし、聞きとれるスピードは1分間に約800字と言われています。つまり、人は話す能力と聞く能力に差が2倍以上あるということです。

話す速度が約300文字/分というのは、アナウンサーがニュース原稿を読む速度。聞き取れる速度が約800字/分というのは、盛り上がっているときのスポーツ実況の速度。ちなみに読む速度は約600字/分、書く速度は約40字/分、タイピング速度は約300字/分が目安。

能力からすると、聞く能力の1/2のスピードで相手から話されていることになります。聞く能力にとっては余裕がある状態ですから、話を聴きながら違うことを考えることができてしまうのです。

しかし、他のことを考えながら聞いていますから、理解度は落ちますが、余裕があるので相槌を打ったりして聞いているように振舞えます。

例えば、会社で同僚から仕事の話を聞いているときに、ふと窓の外を見ると雨が降ってきたとします。家の干した洗濯物が気になりだし、ふと我に返ったときには、肝心の部分を聞きもらしたってことはよくあると思います。また、話の内容からヒントを得て、別世界に意識が行って戻ってこれない…なんてことも経験があるでしょう。

つまり、1対1の対面であったとしても、お互いが集中してコミュニケーションがとれるスキルが大切になります。

傾聴力は社会人基礎力のひとつ

そこで、説明したいのが傾聴力です。傾聴力は社会人基礎力のひとつです。社会人基礎力とは、経済産業省が提唱している基礎学力・専門知識を生かす能力のことで、前に踏み出す力考え抜く力チームで働く力3つの能力から構成されています。傾聴力チームで働く力に含まれた能力です。

社会人基礎力の詳細はこちら

傾聴力とは?

そもそも「聞く」と「聴く」は違います。「聞く」は、耳で音や声を認識することです。例えば、同僚の話を聞く、音楽を聞くといった感じです。ニュアンス的には聞こえるという感じでしょう。

一方、「聴く」は、集中して内容を理解しようとすることです。例えば、友人の悩みを聴く、講演を聴くなどです。「聞く」は受動的で「聴く」は能動的な行動です。

さらに、「傾聴力」は、注意深く耳を傾け、内容だけではなく背後の感情や意図までも理解しようとする能力です。「傾聴」の方が「聴く」よりも、さらに深いレベルでの聞き方となります。傾聴は、相手の話に対して積極的に耳を傾け、その内容だけでなく、背後にある感情や意図を理解しようとする姿勢になります。まさに意思疎通に必要なスキルです。

  • 聞く…声や音が聞こえる(受動的)
  • 聴く…内容を理解する(能動的)
  • 傾聴…耳を傾けて内容だけではなく、感情や意図も理解する(能動的)

例えば、友人が悩みを打ち明けていたとします。スマートフォンを見たり、他のことを考えたりせずに、相手の目を見て相槌を打ちながら聴くと、「ちゃんと聴いてくれている」と感じるはずです。これが傾聴です。

傾聴力は、相手との信頼関係を築くための大切なスキルです。

聞き上手と聞き下手

仕事をする際に、リーダーやマネージャーの人は特に傾聴力が求められます。組織やプロジェクトを任され、チームで仕事をすることが多くなり、複数人のメンバーと仕事をすることになります。したがって、報告や連絡、相談(報連相)などが多くなり、話を聴く機会が増えます。

しかし、忙しい勤務時間中に報連相を受けても、きちんと人の話を聴けない人が多いようです。パソコン画面を見て、タイピングをしながら報連相を受ける人はいませんか?

このような人は聞き下手ですから要注意です。思い当たる人は注意しましょう。

  • 別の作業をしながら話を聞く
  • 話を聞きながら返答を考えている
  • 話をさえぎる
  • 話を聞いて都合よく解釈する
  • 質問せずに自分の話を始める
  • 聞かれていないのにアドバイスする

では、どのような人が聞き上手なのでしょうか。

聞き上手というのは、ただ、人の話を聞くのが好きな人ということではありません。相手の気持ちを理解し、その立場を思いやることができる人のことです。しかし、人の話を聞くことには、相手の感情や立場を理解することから、聞き手にとって負担になることもあります。

そこで、聞き上手になるためには、まず、相手の話を素直に聴きます。自分が話したくなる気持ちを抑え、相手の話に集中します。ときには、反論したい気持ちになっても、こらえて相手の意見を最後まで聴くようにします。すると、相手の意見も次第に穏やかになり、こちらが反論しなくても済むことがあります。

例えば、友人が悩みを打ち明けてきたとします。このときに相手の目を見て、相槌を打ちながら話を聴くことです。「それは大変だったね」「わかるよその気持ち」といった共感の言葉を挟むことで、友人は自分の気持ちが理解されていると感じます。

共感とは、相手の感情や立場を理解して寄り添うことです。相手が感じていることや考えていることに対して、似た感情や考えが自分の中にも生まれることです。

話を聴くことは、ただ黙って聞いているだけではありません。適切なタイミングで相手の話に反応し、質問をすることで、相手はさらに話しやすくなります。例えば、「それでどう思ったの?」や「その後どうなったの?」といった質問をすることで、相手は自分の気持ちをさらに深く話すことができます。

しかし、集中して話を聴くことは疲れることもあります。友人同士の会話では、話し手と聞き手が交代するので、聞き手の疲れが話し手になることで解消されます。聞き手として集中して話を聞いた後、次に自分が話し手になることでバランスが取れ、お互いにリフレッシュすることができるのです。

聞き上手になることは、相手との信頼関係が深まり、円滑なコミュニケーションができます。

傾聴力が高まる相槌とは?

傾聴していることを相手に伝える効果的な方法は「相槌を打つ」ことです。相手は言葉よりも態度を見て判断します。そのため、相槌を打つことで、相手に同意しているという意思表示ができます

例えば、友人と話をしているときに、「うん、うん」と相槌を打つことで、友人は「きちんと聴いてもらえている」と感じます。また、相手の話を肯定的に受け入れることで、相手の意見や感情を尊重し、認めることになります。

逆に、相手の話がうまく聴けなくなってくると、相槌が出なくなります。その代わりに、「でも」「だって」といった否定的な言葉が出てくるようになります。

例えば、誰かがアイデアを出したときに、「でも、それは難しいんじゃないですか?」とすぐに否定してしまうと、相手は自分の意見が尊重されていないと感じ、話しづらくなってしまいます。

では、相槌が打てなくなる理由について考えてみましょう。多くの場合、相手が話している間、次に何を話そうかと考えたり、自分のことに気を取られています。これは、聴いているようで話す準備をしています。このような状態では、自然な相槌が打てなくなります。

こういった状況を避けるためには、傾聴する練習が必要です。相手が話しているときには、話す準備をするのではなく、相手の話に集中し、内容を理解して背後の感情や意図までも理解します。

また、意識的に相槌を打つことで、自然と相手の話に集中できるようになります。「それでどうなったの?」や「本当に?」といった相槌を打つことで、相手の話を引き出し、会話がより深く、充実したものになります。

相槌の仕方

相槌の打ち方は、いくつかの種類があります。使い方によって相手に与える印象や反応が変わります。例えば、年上の人や親しくない人には「はい」を使い、親しい友人には「うん」や「ほう」といったカジュアルな相槌が適しています。

また、「そう」という相槌は、相手が同意して欲しいときに使います。例えば、友人が自分の考えを話しているときに、「そうだね」と言うことで、意見に同意していると伝えられます。

さらに、「なるほど」という相槌は、相手の話に対して強く肯定したり、共感していることを伝えるときに使います。相手が驚きや感動を共有したいときに効果的です。

ただし、オウム返しは相手が不快に感じることがありますので注意が必要です。オウム返しを効果的に使うためには、要点をつかんで、短く相手の使った言葉で返します。例えば、友人が不思議なできごとを興奮気味に話しているときに、「ほぉー、そんな不思議なことが…」と繰り返すと、友人は自分の話がしっかりと理解されていると感じます。

オウム返しとは、相手の言ったとおりに、そのまま言い返すことです。

相槌の使い方を工夫することで、相手とのコミュニケーションが円滑になり、信頼関係が深まります。

相槌で話の内容をコントロールする方法

相槌は、相手の話を掘り下げたり、終わらせたりもコントロールできます。仕事で問題の報告を受けるときには、話を掘り下げたりしますが、日常会話では、必ずしも話を掘り下げることがいいわけではありません。相手の気持ちや状況に応じて、話を終わらせる配慮も必要です。

例えば、友人が愚痴を言っているとき、相槌を打つことで「さらに話してもいい」という流れも作れますが、「そっか、大変だったね」と言って話を終わらせることもできます。これにより、友人が後で愚痴を言いすぎたことを後悔しないようにする配慮ができます。

話を聴くことはパワーを使います。相手が個人的な話や内緒話をする場合、内容を守らなくてはいけません。秘密を守ることは負担となるので、秘密は知らない方が気が楽です。

ですから、日常会話でのネガティブな話、個人的な話、内緒話は、相手を配慮しつつ話を掘り下げないように終わらせることが大切です。例えば、同僚が仕事のストレスについて話しているときに、「それは大変だね」と相槌を打ちつつ、「何かで息抜きしてる?」と話を変えることで、会話を自然に終わらせることができます。

相槌は、会話の流れをコントロールすることができます。時には話を深めずに終わらせることで、相手を守り、健全な関係を維持することができます。

愚痴の聞き方

傾聴とは、話の内容だけではなく、感情や意図も汲み取ります。相手に共感することで意思疎通もできるでしょう。しかし、愚痴の場合は、聞き方を変えないとストレスを感じるかもしれません。

そこで、愚痴は、傾聴しても、自分自身の気持ちに影響を与えないことが大切です。愚痴を自分の中に取り込まず、関係づけないようにします。

愚痴とは、言っても解決しないようなことを嘆くことです。

もし、愚痴を傾聴し、共感してしまうと相手の愚痴を自分ごととしてに受け止めてしまうことになります。すると、自分が愚痴を言われているような気持になったり、愚痴を言っている相手と同じ感情になります。ですから、相手には自分が共感しているように見せかけながらも、自分とは無関係な話として聴くことがポイントです。

また、「相手の話は相手のこと」と考えられるようになると、気持ちが楽になります。相手の話に共感して、自分が怒ってもしかたがありません。相手の気持ちに共感することは大切ですが、相手の話の内容を自分ごとにする必要はありません。

共感される質問の返し方

相手が質問をしてくることはよくあります。質問の内容の多くは、相手が話の内容をどう思ったかを知りたいというものです。このときに重要なのは、相手の立場に立って答えることです。相手が求めているのは共感や理解なので、個人的な意見ではありません

例えば、相手が「この間、こんなひどい目にあったんだよ。どう思う?」と質問したとします。この場合、自分の意見を伝えるのではなく、相手の気持ちに寄り添った答え方をします。「そんなことがあって、大変でしたね」といった答え方です。相手は、話が理解されていると感じるでしょう。

ここで、自分の意見を伝えると、相手が求めていた共感や理解ではなく、話がかみ合わなくなります。だから、相手の立場に立って、相手の気持ちを尊重することで、より深いコミュニケーションができます。

主語が大きいことに反応しない

「会社は認めません」「全員こう思っています」「日本人はこうだ」「男って…」よく聞く言葉だと思います。これらを主語が大きいと言います。主語を私から大きくするのには意図があります。自信がない、嫌われたくない、説得力を持たせたい、感情を動かしたいなど、様々な理由があります。

例えば、「日本人はダメだ」と言われたときに反発したくなりませんか?「日本人にはイケてる人もいるはずだ」と思うでしょう。これは、自分事ととらえて反応しています。反発してしまうと、相手の話が聞けなくなりますし、ストレスがたまるでしょう。

そんな場合は、俯瞰して聴きましょう。相手の言葉の裏にある意図をくみ取ることで、相手の話を聴くことができるようになります。興味が持てない話や反発を感じる話も、相手を理解する機会と考えることで、コミュニケーションができます。

前置きが長いのは話にくい話

話しにくい話は、本題に入りにくいことってありますよね。こんなときは、聞き手の態度が大切になります。例えば、相手が本題に入れず、話が次々と飛んでしまうことがあります。聞き手は、相手が何を話したいのか分からなくなり、じれてしまいます。しかし、この態度で相手はさらに話しにくくなってしまいます。

前置きが長いのは話にくい話」が多いので、相手の調子に合わせます。重い話なら重い雰囲気、軽い話なら軽い雰囲気があります。雰囲気を感じ取りながら話を進めることで、相手は本題に入ることができるようになります。話しやすい雰囲気を作っておき、重い話がきそうだと感じたら、真剣に傾聴するモードに入ります。

まとめ

傾聴力を高めるためには、相手の話に集中し、共感を示し、相槌を打ちながら、適切な質問をすることで相手は話しやすくなります。

愚痴を聴く際は、自分とは無関係として聴き、自分の感情に影響を与えないようにします。大きな主語を使った話には反応せず、相手の意図を理解するよう努めましょう。話しにくい話は、相手の調子に合わせた雰囲気を作り、安心して話せるようにしましょう。

これらを意識することで円滑なコミュニケーションがとれます。ぜひ、意識してやってみてください。


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