【図解】社会人基礎力に役立つ!ビジネス数学検定とは?

考え抜く力
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論理的思考が苦手…」とお悩みではありませんか?

もしかしたら、その原因は基礎学力である「数学」の知識不足かもしれません。

でも、今さら数学の復習なんて…」そういった方のために、社会人のための数学をご説明します。

社会人基礎力とは、経済産業省が提唱している社会人基礎力とは、基礎学力・専門知識を生かす能力のことです。

今回は、社会人基礎力に役立つ「ビジネス数学」について詳しく説明しましょう。

社会人基礎力とビジネス数学の関係

社会人基礎力は「前に踏み出す力(アクション)」「考え抜く力(シンキング)」「チームで働く力(チームワーク)」の3つの能力から構成されています。

数学という科目は、計算力だけではなく、論理的思考能力や問題解決能力に役立ちます。したがって、社会人基礎力の3つの能力で「考え抜く力」に分類されます。

考え抜く力とは、疑問を持って考え抜く力のことです。論理的に答えを出すだけではなく、自ら課題を見つけて、解決のための計画を立てる、他者に依存せずに行動する思考力が求められています。

また、考え抜く力は3つの要素があります。

  • 課題発見力…現状を分析して目的や課題を明らかにする力
  • 計画力…課題の解決に向けたプロセスを明らかにして準備する力
  • 創造力…新しい価値を生み出す力

課題発見力では、現状分析を行う際に、データを使った定量分析で数学を使います。計画力では、課題の解決をする際には、要因を構造分解したりします。そこでも数学が役に立つわけです。

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算数と数学とビジネス数学の違い

小学校で習う算数、中学校以上で習う数学、今回ご紹介するビジネス数学は違います。

算数は、基本的な数の扱いや計算を学び、日常生活で必要な基本的な数理能力を養います。

数学は、数理的な理論や概念を研究する広範な分野で、抽象的な思考や論理的な推論を重視します。

ビジネス数学は、ビジネスや経済の現実的な問題を解決するための実務的な数学で、効率的な意思決定を支援します。

つまり、仕事をする上で、汎用的に使う数学をピンポイントで学べる利点があります。

算数

目的

  • 日常生活での基本的な数値の理解と操作
  • 基礎的な数理的思考を育む

内容

  • 四則演算
  • 分数、小数、百分率
  • 基本的な測定と単位(長さ、重さ、時間など)
  • 図形の基本的な性質(面積、周囲の長さ)

数学

目的

  • 科学、技術、工学などの専門分野での問題解決と理論構築
  • 高度な数理的思考と抽象的な概念の理解

内容

  • 代数(方程式、関数、行列)
  • 幾何学(図形の性質、証明、ベクトル)
  • 微積分学(微分、積分、解析)
  • 統計学(データの収集、分析、確率論)
  • 他の専門領域(数論、トポロジー、数理論理学など)

ビジネス数学

目的

  • ・ビジネスや経済における効率的な意思決定と戦略立案
  • 実務的な問題解決に役立つ具体的な数学的スキルの習得

内容

  • 基礎的な統計学(平均、中央値、標準偏差)
  • 財務数学(利子計算、割引率、ローン計算)
  • 経済学的分析(供給と需要、コスト分析、利益計算)
  • 最適化と線形計画法(資源配分、スケジューリング)
  • データ分析と意思決定(回帰分析、予測モデル)

ビジネス数学検定とは?

ビジネス数学検定は、ビジネスに必要な数学力として、5つの力(把握力・分析力・予測力・選択力・表現力)の能力を評価する検定です。

  • 把握力…物事の状況や特徴をつかむ力(表やグラフから得られるデータから必要な情報を見抜き、状況分析や戦略の見直しを行う)
  • 分析力…規則性や変化、相関性などを見抜く力(さまざまな手法でデータを加工して、有益な情報を得る)
  • 予測力…さまざまなデータをもとに未来を予測する力(未来の予測を立てることで、より確実性の高いビジネスを行う)
  • 選択力…いくつかの選択肢から最適なものを選ぶ力(選択基準を設定し、選択肢を根拠に基づいて比較することで、最適な選択をする)
  • 表現力…情報をわかりやすく正確に伝える力(情報を図表すことで、プレゼンテーションの説得力を上げる)

仕事で求められるのは、現場で潜んでいる数字を見つけ出し、それらの関係性をしっかりと把握し、目的に応じてそれらを組み合わせる思考プロセスを身につけることです。

ビジネス数学は、算数や数学の応用として位置し、専門知識が必要な業務の手助けをする能力です。

ビジネス数学が応用できる専門知識は下記の通りです。

  • 経営分析
  • 財務・会計
  • マーケティング
  • 生産管理
  • 販売管理
  • データ分析

定量的なデータを扱う仕事であれば役に立ちます。

把握力とは?

ビジネス数学の5つの力に分類される把握力とは、物事の状況や相関関係を見抜く力のことです。表やグラフから得られるデータから必要な情報を見抜き、これを正確に把握することで、現状の認識や問題の発見を行うことができます。

  • データ・グラフ・平均・集合・相関など
  • 定量的:おいしい…3 普通…2 まずい…1
  • 定性的:風味が良い 食感が悪い なんとなく物足りない

例えば、データ全体の様子をひとつの数値で代表させて表す場合に、代表値を使います。代表値は、平均値、中央値、最頻値などがあります。

データに無頓着な人は、なんでも平均値を出して見ますが、代表値としてふさわしくない場合も多々あります。たとえば、データの分布が極端に非対称な場合はふさわしくありません。

この場合は、中央値(データを大きさ順に並べたときの真ん中の数値)や最頻値(度数の最大となるデータの値)などを使います。どの代表値を使うかによって、データの性質は変わりますので、分析結果に違いがでます。

次に、集合とは、ある一定の条件を満たす「もの」の集まりのことです。例えば、お客様に販売促進として郵送でDMを送るとします。商品Aと商品Bを買った人だけを抽出して送る際のセグメント化などは、集合の考え方を使います。

相関とは、一方が変われば、他方も変わるように、相互に関係しあっていることを言います。 例えば、パンを朝食によく食べる家は、パンとバターをよく買うとします。すると、パンとバターの購入量には相関があることになります。

定量的な情報は、数字に置き換えられる情報のことです。例えばお客様にアンケートを取るとします。定量的に判断したい場合は、おいしい、普通、まずいを3、2、1のように数値に置き換えて、点数で把握します。また、定性的な情報も必要なら感想を言葉でいただく場合もあります。

分析力とは?

ビジネス数学の5つの力のひとつである分析力とは、データや情報を適切に収集し、それらを論理的に整理・解析して、意思決定に役立てる能力のことです。

  • 分析とは情報の規則性や特徴、変化を見抜き、明らかにすること
  • 分析は数字データを使って分析する定量分析とヒアリングなどを分析する定性分析がある
  • 分析の目的は仮説を検証するためにおこなう
  • 問題を発見→自分を納得させる→相手を説得する
  • 分析結果から問題の解決策を発見しようとすると時間がかかる

そもそも、データとは、生の事実や観測結果を数値や文字で表現したもので、データを整理・加工・解釈し、意味や文脈を持たせたものが情報です。つまり、データに価値や意味を持たせたものを言います。

分析とは、その情報の規則性や特徴、変化などを見抜き明らかにすることです。数値を使った定量分析とヒアリングなど、言葉をつあった定性分析があります。

基本的に分析結果から問題を見つけることはあっても、問題の解決策を見つけることはしません。なぜなら、時間がかかるからです。

ですから、問題を解決する際には、仮説を立ててから分析をし、仮説検証をします。その結果、自分自身が納得でき、相手を説得する材料にします。

特に、現場でよく使うのが定量分析として要素分解をしたもので、KPIなどにも使います。例えば、売上を要素分解すると顧客視点なら顧客数×客単価ですし、商品視点なら販売個数×平均単価といった感じです。

予測力とは?

ビジネス数学の5つの力のひとつである予測力とは、過去のデータや現在のトレンドを基にして、将来の状況や結果を予測する能力のことです。ビジネスを有利に進めたり、リスクを最小限に抑えたりします。

  • 平均、移動平均、加重平均、一次関数、連立方程式による予測
  • 移動平均…時系列に並ぶデータがあるときに、1項ずつ項をずらしながら平均を求める方法
  • 加重移動平均…重みを付けをした移動平均

移動平均とは、時系列に並ぶデータがあるときに、1項目ずつ項をずらしながら平均を求める方法です。例えば、売上予測をするときに使います。過去3か月の売上データを基に、来月の売上予測をするときに使うことができます。

加重移動平均とは、重み付けをした移動平均です。例えば、夏は繁忙期で冬は閑散期だとします。単なる移動平均では、繁忙期や閑散期の予測ができないので、重み付けとして繁忙期や閑散期に係数を設定して予測します。

選択力とは?

ビジネス数学の5つの力のひとつである選択力とは、複数の選択肢や解決策の中から最適なものを選び出す能力のことです。この能力は、限られたリソースや時間の中で、最大の効果を発揮するために重要です。

  • いくつかの事象から選択する力
  • 選択をする上での基準を設定し、複数の選択肢を根拠に基づいて比較することで、最適な選択肢を選び取ることができる
  • 比較による選択、スコアシートによる選択、割合による選択、期待値による選択

選択するということは、選ぶ基準があるということです。例えば、会社にシステムを導入するとします。通常、会社で購買活動をする際には、相見積をします。なぜなら、金額だけで決めないからです。システムに求める機能があるか、会社の実績はあるか、サポートは十分かなど様々な点を考慮します。

そこで相見積の際に大切になるのが基準です。基準がなければ、比較ができませんので、サポートが手厚ければ5、そうでなければ1といった感じでスコアシートで比較できるようにします。

表現力とは?

ビジネス数学の5つの力のひとつである表現力とは、数値データや分析結果をわかりやすく、効果的に伝える能力のことです。この能力は、経営層やマネージャー層、同じチームのメンバーに対して、データに基づいた情報を正確に伝え、理解を促すために必要な能力です。

  • 定量的に伝えてあいまいさをなくす
  • 表をグラフにする

いくら優れたデータでも、他人に伝わらなければ意味がありません。伝えると伝わるは違うからです。定量的に伝えることはあいまいさを減らせるメリットがあります。例えば、「全部」と言えば10割、100%ですが、「ほぼ」と言われても何%かわかりません。また、「100万個売れる」と「よく売れる」では伝わり方が違います。

データを加工して、意味を持たせることで情報にします。その際に、Excelなどを使って表にすることが多いと思いますが、人に見せるのにはあまり向いていません。

分析する際に時系列を使って比較をよくしますが、グラフなら左右比較だけではなく、時間軸ごとに上昇傾向があるなどの意味合いがよく理解できます。ただし、グラフの種類による特性と縦軸と横軸に何を選ぶのかは考えなくてはいけません。

ビジネス数学検定の勉強方法

出典:日本数学検定協会『ビジネス数学検定』

ビジネス数学検定の難易度は、3級から1級まであります。

  • 1級 データサイエンティスト入門者向け
  • 2級 マネージャー向け
  • 3級 学生・新入社員向け

どの程度の難しさかは、基礎学力における数学の習得状況によって異なりますので、サンプル問題(例題)を見て確認してみましょう。

受験方法や申込方法、受験料、試験日、受験会場、試験結果などは公式サイトをご確認ください。受験者数は年間5,000人ほどです。この資格には有効期限はありません。合格率は公表されていません。履歴書に書いてもアピール力はあまり高くありませんが、学生なら書いておいてもいいでしょう。

資格系の勉強方法は過去問からとよく言われますが、この資格は過去問は問題集として出ていません。あるのは、公式テキストビジネス数学検定3級ビジネス数学検定2級と参考書だけです。公式テキストには問題も付いていますので、こちらを勉強に使いましょう。

まとめ

ビジネス数学検定を勉強することで、社会人基礎力を鍛えるためのメリットが得られます。まず、数学の問題を解く過程で論理的な推論やデータ分析のスキルが求められるため、論理的思考力が向上します。

また、ビジネスにおいて直面する複雑な課題を解決するためのフレームワークを学ぶことができますので、問題解決能力が強化されます。

さらに、数学的なデータを基にした説明やプレゼンテーションを行うことで、説得力のある情報発信ができ、コミュニケーション能力の向上が期待できます。これにより、ビジネスでの信頼性が高まり、効果的な意思決定が促進されます。

もし、ご興味があれば、リカレント教育として学び直すのはいかがでしょうか。


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